◆世界最速仕事術
◇すべての仕事はスマホでできる

 多くのプロジェクトを同時にこなし、多動力を発揮するには、仕事の生産性を上げる意識が欠かせない。著者は、関わっているプロジェクトのほぼ100%をスマホでこなしている。仕事の打ち合わせや指示出しなどは、プロジェクトごとにLINEやメッセンジャー、メールを使い分け、その場ですぐ解決している。そのため、仕事の積み残しもなくストレスもたまらない。

 仕事も遊びもコミュニケーションも、スマホで事足りる世の中になっている。わざわざ会社で仕事をする意味はない。「会社に行かなければいけない」、「直接会って話さなければいけない」。こうした時代にそぐわない考えを改めるだけで、仕事は一気に効率化できる。

◇仕事の速さはリズムで決まる

 大量の仕事をすばやくこなすために必要なのは、「速度」よりも「リズム」である。いきなり電話をかけてこられたり話しかけられたりすると、作業を中断せざるを得ない。メールを見て即返信する。LINEでピッピッとやりとりする。せっかく便利なツールを使っているのに、重い添付ファイルの開封に時間がかかると、リズムが途端に乱れてしまう。意味のない長文メールを送ってくる人も同様だ。人のリズムを狂わせる不協和音のような人とは極力つきあわず、ビートを刻むように仕事をパッパとこなすに限る。

◆人生に目的なんていらない
◇永遠の3歳児たれ

 多くの人は、大人になるにつれ、子供の頃もっていた多動力を失っていく。やりたいことではなく、やらなければいけないことをするよう矯正されるためだ。しかし、成功している起業家やクリエイターは、好奇心旺盛な3歳児さながら、興味があることに脇目もふらずまい進している。だからこそ、イノベーションを起こせるのだ。

 テスラ・モーターズCEOのイーロン・マスクは、服を着ている最中に次にやりたいことを思いついてしまうため、ボタンをとめられないという。だからこそ彼は、火星移住計画を立てるなど、常識にとらわれずに挑戦を続けられる。

 人は年をとると新しい刺激にふれられず、自分を変える柔軟性を失ってしまう。しかし、未知なる刺激に接し続けていれば、3歳児のような多動力をキープできる。しかも、テクノロジーの進化のおかげで、学びたい意思さえあれば、新しい知識をすぐに身につけられるようになった。つまり、マインド次第でいくらでも若返りが可能だといえる。

◇今を楽しむことがすべて

 将来の夢や目標なんて必要ない。面白い人たちと面白い時間を過ごした結果、アイデアが生まれ、仕事や遊びにもつながっていく。人は何かワクワクすることにハマれば、「忘我」の境地に達して時間を忘れ、熱狂的なまでに没入できる。そうすれば、目的はおのずと達成され、結果はあとからついてくる。このように、常に新しい自分へと生まれ変わっていくための原動力こそが「多動力」なのだ。
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