星の数ほどあるクレジットカードだが、近年、さらなる激変が起きているという。自らも60枚近いクレジットカードを保有し、ポイント交換サービス「ポイ探」代表取締役を務める菊地祟仁氏は、最近の情勢についてこう語る。

「ここ数年、熾烈化してきたポイント還元率競争は完全に消耗戦となりました。すでに足元で収束化している模様ですが、唯一、プリペイド方式の『LINE Payカード』だけが還元率2%を維持し、気を吐いています。ただ、むしろ今は新規の『GINZA SIXカード』が象徴するように、ゴールド系カードよりも上位のプラチナ系に各社が力を入れ始めています」

 ちょっと前までステータスの証しだったゴールドカードだが、今や比較的簡単に発行してもらえることが明らかになり、その価値に変化が生じている。

「プラチナカードのコンシェルジュデスクなら、電話1本であらゆる予約の手配や問い合わせなどにも迅速に対応してもらえるので、年会費は高くても秘書を雇うよりもはるかに割安と考える人が増えているようです」

 これに加えて、「もう1つの大きな潮流がある」と指摘するのが、クレジットカード事情にも詳しい消費生活ジャーナリストの岩田昭男氏だ。

「まず、既存のApple PayとGoogle Payの覇権争いが今後、さらに本格化するのが必至です。それで何が起こるかというと、クレジットカードの世代交代です。キャッシュレスが進み、銀行口座内のお金をセブン-イレブンのレジで受け取れるなど斬新なサービスが続々と生まれる一方で、これまでのクジレットカードが徐々に守勢に回ってゆくことが予測されます」
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