http://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_R10C17A7000000/

2017/7/11 15:23

 11日の東京株式市場で日経平均株価は続伸した。終値は前日比114円50銭(0.57%)高の2万0195円48銭だった。朝方の売り一巡後、外国為替市場で円相場が主要通貨に対して下落すると、業績の上振れを期待した買いが優勢になった。上げ幅は一時120円近くまで広がり、取引時間中としては6月29日以来8営業日ぶりに2万0200円台を回復する場面もあった。

 JPX日経インデックス400は続伸し、前日比97.36ポイント(0.68%)高の1万4490.33だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、11.66ポイント(0.72%)高の1627.14だった。

 欧米の中央銀行が金融緩和の見直しに動く一方、日銀は長期金利の上昇を抑えるとの見方が根強い。対ドルやユーロで円が下落し、海外売上高の割合が高い銘柄が買われた。株価指数先物が買われ、裁定取引に関連した買いが現物株に広がったことも指数を押し上げた。

 半面、直近で上昇が目立った銘柄には持ち高調整の売りが出て指数の上値を抑えた。業績の先行きの不安のある銘柄には買いが入りにくかった。

 東証1部の売買代金は概算で2兆673億円。売買高は14億3621万株だった。米国の金融政策の先行きを占うイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言や米経済指標の公表などを控えて売買は盛り上がりに欠けた。東証1部の値上がり銘柄数は1494と全体の74%を占めた。値下がりは392、変わらずは135銘柄だった。

 トヨタやパナソニックが上昇。対ユーロで円安が進み、HOYAやシマノが買われた。日経平均の構成銘柄に採用が発表されたエプソンは上げた。財務省が今夏の売却を見送ると伝わった日本郵政は高い。米企業から精密ベアリング部品事業の取得を発表したツバキナカは買われ、ソニーは一時9年ぶり高値まで上げた。

 半面、3〜5月期の営業益が35%減となったローツェが下げた。ファストリは安い。オランダの検察当局が排ガス不正の疑いで調査すると発表したスズキは下落した。電気料金の引き下げ幅が決まったと伝わった関西電は反落した。任天堂も売られた。

 東証2部株価指数は続伸した。3日につけた年初来高値を更新した。ウェーブHDやNCS&Aが上げた。一方、シャープやフマキラが下げた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕