【バルセロナ=深尾幸生】オランダの検察当局は10日、スズキが排ガス規制を逃れるために違法なソフトウエアを搭載していた疑いがあるとして調査すると発表した。現地メディアが報じた。多目的スポーツ車(SUV)「ビターラ(日本名エスクード)」が対象で、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の「ジープ グランドチェロキー」も同様の疑いで調べる。

 オランダ陸運局が10車種以上を対象に路上走行試験をしたところ、この2車種から多量の窒素酸化物(NOx)が排出されたという。エンジンを保護するために排ガスを操作するソフトウエアを、本来の目的とは別に規制を逃れるため不正に使った疑いが持たれている。

 オランダ陸運局によると、欧州で4万2千台のビターラが販売されたという。

 FCAについては今年1月に米環境保護局(EPA)が同社の一部ディーゼル車が法定基準を超える排ガスを出していた恐れがあると発表、5月には米司法省が米連邦地裁に提訴していた。FCAは不正を否定している。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ11H0U_R10C17A7EAF000/