デル株式会社は6月30日、株式会社ラクス、カゴヤ・ジャパン株式会社、エックスサーバー株式会社の3社との協業モデルを通じ、中堅企業の「ひとり情シス」を支援するクラウドサービスを本日より提供開始すると発表した。

 同日に行われた会見では、中堅企業向けクラウドサービスを展開する背景および概要を説明したほか、協業3社が提供するサービス内容を紹介した。

今回のクラウドサービスは、中堅企業がクラウド化に着手するうえで代表的なソリューションを体系化、ワンストップで提供できる体制を構築し、初期のクラウド化への対応ソリューションを提供するもの。サービス提供にあたって、市場での評価が高いラクス、カゴヤ・ジャパン、エックスサーバーの3社と協業し、中堅企業からの利用ニーズが強い、汎用情報系および汎用業務系の各種クラウドサービスをそろえた。

 中堅企業向けのクラウドサービスを新たに展開する経緯について、デル 広域営業統括本部 執行役員 統括本部長の清水博氏は、「当社は、今年に入って中堅企業向けの販売戦略を強化してきた。まず、1月から中堅企業向け全国セミナーをスタート、2月には中堅企業のIT投資動向調査と戦略を発表、3月から中堅企業向けクイックウィンソリューションを提供開始した。4月からは、インサイドセールスを50人採用して大幅増員。5月には、中堅企業のバックアップ環境に関する追跡調査を発表した。こうした取り組みを踏まえ、今回、中堅企業向けのクラウドサービスを提供開始する」と説明した。

デルがクラウドサービスを販売する背景については、「顧客のプロジェクトでクラウドの適合分野が広がり、クラウド要件の一部が含まれる案件が増加してきていた。また、『ひとり情シス』の顧客から、時間的な制約が多く、新規サービスの検討がしにくいため、1つの窓口で購入したいという要望が高まってきていた。こうした中で、当社のインサイドセールスが、ITコーディネーターなどの資格を取得し、ITインフラコンシェルジュからクラウドコンシェルジュへとレベルアップし、顧客へのクラウド提案が可能になってきた」(清水氏)としている。

 中堅企業向けクラウドサービスの提供にあたり、ラクス、カゴヤ・ジャパン、エックスサーバーの3社と協業した理由としては、「顧客との会話の中で、中堅中小企業分野で高い納入実績がある企業が判明したこと」「中小中堅企業向けのコストセンシティブな市場で、長期間実績を上げ続けていること」「協業企業の顧客とデルのターゲットが同一で、レバレッジが図れること」「3社ともにデル製品を運用しており、今後のハイブリッド展開を考慮して、デル製品の経験、運用の親和性に安心できること」の4点を挙げている。

 提供するクラウドサービスのメニューは、汎用情報系と汎用業務系の大きく2つのカテゴリに分かれており、汎用情報系では、電子メール、グループウェア、ナレッジ共有、ブログ/ホームページ、ファイル管理、バックアップを用意。一方、汎用業務系では、経費精算、交通費計算、帳票発行、給与明細、ワークフローをラインアップしている。
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