0001ノチラ ★
2017/06/08(木) 01:04:08.05ID:CAP_USERたばこの「社会的コスト」
なんてことを言うと、「俺様はヘビースモーカーだけど、何十億というビックプロジェクトをまとめてむしろ会社に貢献しているぜ」なんて方から怒りのクレームが寄せられそうだが、そういう「個」のエピソードを「全体」に適応させてしまうのは、日本の悪い癖だ。
例えば、戦前のベルリンオリンピックで、日本統治下の朝鮮出身の選手がマラソンでアジア人初の金メダルをとった。これは個人の業績だし、日本人でもないわけなのだが、当時の日本軍はなぜか「日本民族の健脚は世界一」とか言い始める。この勘違いが人命軽視の無謀な行軍につながった。個人の業績を都合よく「日本人全体の業績」にすり替えてしまうのだ。
それと同じことで、会社に利益をもたらすヘビースモーカーがちょいちょいいたとしても、「喫煙者が生産性が高い」ということにはならないのだ。
むしろ、「日本全体」を見てみると、たばこの「社会的コスト」が日本経済にも重くのしかかっている可能性さえある。
日本の生産性が他の先進国と比較して圧倒的に低いというのは、この数年いたるところで言われている。
その原因としては、長時間労働信仰とか、無駄に長い会議とか、「飲み二ケーション」に代表される勤務時間外の付き合いなどさまざまなものが挙げられているが、「喫煙」の影響も皆無とは言い切れないのである。
例えば、公益財団法人、日本生産性本部が2016年12月に発表した「ODCE加盟諸国の時間当たり労働生産性2015年」によると日本は20位となっていた。では、トップ5を見てみると、ルクセンブルグ、アイルランド、ノルウェー、ベルギー、米国という順番なのだが、実はこれらの国にはある共通点がある。
日本と比較して圧倒的に喫煙率が低いのだ。
2016年5月19日、世界保健機関(WHO)が発表した「世界保健統計2016」によると、日本の喫煙率は33.7%となっている。それに対して、生産性ナンバーワンのルクセンブルグは25.8%、アイルランドは22.4%、ノルウェーは22.4%、ベルギーは26.5%、そして米国は19.5%なのだ。
喫煙と労働生産性の因果関係は、日本より労働生産性が低い国を見てもうかがえる。例えば、23位のイスラエルは41.2%、27位のギリシャは52.6%、30位の韓国は49.8%という風に喫煙率が高い国ほど、労働生産性が低くなる傾向がみられる。
もちろん、労働生産性のすべてを「喫煙」に結びつけるのには無理がある。ただ、先ほどのオハイオ州立大学の調査からも分かるように、「たばこ休憩」の経済的損失というものは世界中で指摘されているのも事実だ。また、東京都医師会の尾崎治夫会長によると、「ニコチン依存症の人はニコチンが切れる前には生産性が落ちることが分かっている」という。つまり、喫煙者の生産性の低さを示すデータには事欠かないのである。
「たばこを吸う人の労働生産性がガクンと上がりました」なんて画期的な研究成果がでれば話は別だが、現状では日本の生産性がなかなか向上しないことの元凶のひとつに、「職場におけるたばこ対策の遅れ」があるというのはそれほど荒唐無稽な話ではないではないのだ。
そのようなことを言うと、「たばこ休憩」くらい認められない不寛容な社会は問題だとか、喫煙者の唯一の楽しみを奪って働かせるなんてブラックすぎるとかいう人がいるが、「たばこ休憩」の問題は非喫煙者らがとっている「ランチ休憩」や「コーヒー休憩」にオンする形で、「ちょっと一服」が何度も許されるという「優遇措置」にある。
以下ソース
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1706/06/news031_2.html