5月中旬に訪日外国人旅行者数が過去最速で1千万人を突破し、都市部を中心に宿泊施設の不足がささやかれる中、
鉄道各社がホテル事業の拡大にかじを切り始めた。人口減少で鉄道事業の先細りが避けられない中、
鉄道インフラとの相乗効果も見込めるホテル事業は収益の柱となる可能性を秘めており、今後、新規建設が本格化しそうだ。

 「32年ごろまでに1万室を超えるホテルチェーンを目指す」。JR東日本の冨田哲郎社長は5月9日の記者会見で、
グループが首都圏を中心に43カ所で計約6300室を展開する「メトロポリタンホテルズ」や「ホテルメッツ」などのホテルについて、
32年には60カ所に拡大する構想をぶち上げた。今月下旬にも、東京都千代田区の秋葉原駅隣接地で196室の「ホテルメッツ秋葉原(仮称)」を着工する予定だ。

 西武ホールディングス(HD)は、1泊1室の客室単価を1万円前後に抑えた宿泊特化型のホテルを31年度をめどに展開。
今後10年で新ブランドを中心に約100カ所を開業する予定だ。傘下のプリンスホテルの平均客室単価は約1万5千円(28年度)だが、
培ったノウハウを新ブランドで生かし、「欧米にも照準を合わせ、さまざまな所得層の客を取り込みたい」(西井知之取締役)考えだ。

http://www.sankei.com/economy/news/170519/ecn1705190039-n1.html