佐賀県は15日、ひきこもりに関する実態調査の結果を初めてまとめた。

 学校や会社に行けないなど、社会的参加が6か月以上ない人は少なくとも644人で、このうち7割超が自宅に3年以上ひきこもっている実態が浮き彫りになった。

 調査は1〜3月、県内の民生委員・児童委員2105人にアンケートを行い、このうち1457人が回答した。回答率は69・2%。

 調査対象は「おおむね15歳以上」で、ひきこもり状態にある人。内閣府の調査では「39歳以下」までが対象だが、県の調査では「40歳以上」も対象に加えた。

 結果によると、該当者のうち男性は389人(60・4%)、女性は165人(25・6%)で、無回答は90人(14%)。
男性は40歳代が最も多く110人、次いで50歳代が87人、60歳以上が77人で、中高年層が71・3%を占めた。一方、女性は60歳以上が65人と突出し、10〜50歳代はいずれも10〜20人台だった。

 ひきこもりになった原因(複数回答)として、「疾病や性格など本人の問題」が197人と最も多く、「家族や家庭環境の問題」(112人)、
「失業」(107人)、「不登校」(71人)、「就職できなかった」(38人)が上位を占めた。

 期間は「10年以上」が最も多い232人(36%)で、40歳代(66人)と50歳代(57人)が中心だった。
県障害福祉課は「中高年層でひきこもりの長期化が見られた。今後、結果を基に施策を進めていきたい」としている。

 県は15日、ひきこもり地域支援センター(佐賀市白山2)を開設した。平日の午前11時〜午後6時、臨床心理士らが相談(予約制)に応じる。

 武雄市武雄町昭和のサテライトでも月、水、金曜日の同じ時間帯で相談は可能。問い合わせは、同センター(0954・27・7270)へ。

2017年05月16日 14時46分 Copyright c The Yomiuri Shimbun

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