News | 2017年 05月 15日 16:16 JST

[シンガポール/クアラルンプール 12日 ロイター] - アジアのガソリン需要は想定よりも早く頭打ちになるかもしれない──。
中国やインドが電気自動車へと軸足を移そうとする中、石油会社や自動車会社の幹部は今後、事業環境の大きな変化への対応を迫られる可能性があるとの見方を示している。

両業界の幹部は、精製会社は最大の収益源であるガソリンで稼げなくなる将来に備える必要があると指摘。
背景には中国やインドでの大きな政策転換がある。両国では大気汚染を防ぎ、石油輸入を抑制するとともに
、成長分野であるグリーンカー市場の一角に食い込むことを目指している。

中国が4月に公表したロードマップでは、2025年時点の自動車販売台数を年間3500万台とし、
このうち少なくとも5分の1を代替燃料車が占めるようにする目標を打ち出した。

インドの検討している計画はさらに過激なもので、政府・産業筋によると、影響力のある政府系シンクタンクは、
2032年までに国内の全車両を電気化することを後押しする草案をまとめている。

ドイツの自動車大手ダイムラー(DAIGn.DE)は、電気自動車の売上高が2025年までに全体の15─20%を占めると予想。

電気自動車の割合は現在、世界の車の2%に満たないが、想定を上回るスピードで伸びれば、石油需要や精製会社に大きく影響することになる。

バーレーン国営のバーレーン石油会社(BAPCO)の取締役、ダーウード・ナシフ氏は「技術の変化スピードは速く、
10─15年以内には、ガソリン市場は今日とは違ったものになっているかもしれない」と語る。

ガソリンは石油精製会社の生産の45%を占める上、利ざやが最も大きい部類に属するため、需要の減少が与える影響は計り知れない。
格付け機関のムーディーズは、技術がどんどん進んでいくことから、正確に予想することは難しいが、
石油需要減少の直接的な金銭面での影響が2020年までに現実化する可能性があるとしている。

http://jp.reuters.com/article/gasoline-asia-demand-idJPKCN18B0DK