[東京 11日 ロイター] - 経済財政運営の方針を示す今年の「骨太方針」の柱の1つに、大学教育の機会均等と質の向上が盛り込まれる公算が大きくなっている。関係筋が明らかにした。政府内では教育関連の予算の財源として、社会保障関連予算の効率化で浮いたコストを回すアイデアも水面下で検討されている。ただ、与党内や社会保障に関連した業界からの激しい抵抗が予想され、着地点は見えないままだ。

政府内で大学教育の機会均等や質の向上が重視される前兆は、今年3月ごろからあった。3月30日の経済財政諮問会議で提示された「民間議員ペーパー」の中に、「高等教育へのアクセスの機会均等」、「教育の質の向上」が盛り込まれた。

4月12日の同会議で、麻生太郎副総理兼財務相は「高等教育を受けた人は、高卒の人と比べ、生涯獲得賃金で6000万円から7000万円違う」と述べ、教育機会の均等が重要との見解を示した。

関係筋は、骨太方針のテーマに関し「今年は人材投資が柱になる」と言い切る。具体的には、人材ストックがきちんと生かされていない問題や、大学教育の拡充で人工知能(AI)を担う人材を育てる必要性などが主な論点になるという。

AIに関しては、政府が推進する「働き方改革」とも関連する。労働時間の短縮を図ればビジネスへの打撃が生じるため、生産性の引き上げが必要であり、モノのインターネット(IoT)やAIの活用を進める上で、そうした変化を担う人材の育成が急務となっている。

文部科学省では2017年度予算で1兆766億円の奨学金予算に加えて、試験的に非課税世帯2800人を対象に返済不要の「給付型奨学金」を創設し70億円の予算を計上。事実上の無償化に踏み切った。

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2017年 05月 11日 10:12 JST
ロイター
http://jp.reuters.com/article/japan-education-idJPKBN18704D?il=0