医薬分業は、日本の調剤産業の売り上げを増やしただけに終わった。結果、相変わらず調剤費はどんどん増えている。

では患者さんはどうしたらいいのか? 院内処方の病院を可能な限り利用することだ。

見慣れた存在になった調剤薬局だが、一方で現在でも院内処方している病院や診療所がまだ3割もある。こうした病院を利用して、
できるだけ調剤薬局を使わないようにする。院外処方の病院でなければダメな特殊な病気はともかく、どの病院でもいいような場合にはメリットが大きい。

なにより出費が減るのはすでに述べた。さらに院内処方の病院には、薬が出るまで時間がかかるデメリットはあるものの、
患者さんにとっては治療・投薬の精算が一度で済むメリットがある。また調剤薬局の多くは昼間しか空いていないが、院内なら時間外でも薬を受け取れる場合もある。

いまでは当たり前になった院外処方に、揺り戻しと言うべきか、最近では院内処方に戻した例も登場している。もちろんそれは、調剤報酬など病院側の都合によるものではあるが、患者さんも自らの懐具合を考えるなら「院内回帰」したほうがいいかも知れない。
また、「健康保険で安くなるから」とムダな薬を貰わないようにすれば、自身の出費もセーブできるだけでなく、日本全体の医療費の節約にもなるのである。