転職活動する薬剤師が急増している。
 人材サービス大手リクルートキャリアに転職希望者として新たに登録した薬剤師数は、2017年度上期(4〜9月)に前年同期比で約3割増加し、その後も増え続ける勢いだ。
調剤報酬削減に伴う薬局の収益悪化などで、人員削減への不安が高まっていることが背景にあるとみられる。
 同社の集計によると、大手薬局などからの登録者数は16年度上期に前年同期比29・9%増加、17年度上期もさらに同29%増えた。
昨年秋以降、薬局が大規模な人員削減策を公表すると、「将来のリストラ不安から転職希望者が殺到するようになった」(転職紹介大手)という。
 リクルート社が提供する転職紹介サービス「リクルートエージェント」には、16年度で全業界から約50万人が登録しており、薬剤師からも多い。
ただ薬局からの具体的な登録者数は公表していない。政府の労働力調査によると、16年の転職者数は306万人で前年より3%弱増えた。薬剤師の転職希望者の増加率は、それを大幅に上回る水準だ。