「冷暖房服」岡山の高校生が開発 6年がかり、装置×シャツで実現

猛暑や厳寒期でも屋外で快適に過ごせるよう、携帯型冷温水発生装置とシャツを組み合わせた「冷暖房服」を、
水島工業高(岡山県倉敷市西阿知町)工業化学科が開発した。
2014年度に研究に着手し、歴代の3年生チームがバトンをつないで6年がかりで完成させた“知恵の結晶”だ。
冷暖房服は、電流の向きによって冷却、加熱が制御できる半導体「ペルチェ素子」を活用。
素子を組み込んだ装置(高さ20センチ、幅・奥行き各13センチ、重さ2キロ)で冷温水を作り、シャツの裏面に装着したチューブとつないで循環させる。
夏(外気温想定35度)は18度、冬(同5度)は40度となり、バッテリーは3、4時間持続できる。
短時間で冷却・加温できるようペルチェ素子の最適な数や配置を探って実験を繰り返し、
装置を持ち運び可能な大きさに抑えるために素材を工夫するなど小型・軽量化に挑んだ。
本年度は生徒6人が引き継ぎ、緻密な作業が必要な回路の作成を重ねるなどして10月に完成させた。
ペルチェ素子を使った衣類は、化学繊維大手のクラレが冷温兼用ジャケットを東京の企業と共同開発。同高も商品化を目指す企業には研究データを提供したいとしている。

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