(シビアコンディションについて)
 「片道3キロの通勤」「片道5キロの通学」など、短距離での使用を頻繁に繰り返す場合
 そのような乗り方を各メーカーは『シビアコンディション』と呼んでいます。

理由として

【1】 エンジン(特にクランクケース)がきちんと暖まらず、オイルが乳化しやすい。
   燃焼室から侵入したブローバイガス(未燃焼ガス)はオイルと混ざり合うが
   オイルの温度が上がると蒸発し、ブローバイホースから排出される。
   しかし、走行距離が短いとブローバイガスがクランクケース内に残留しやすく
   ブローバイガスに含まれる水分とオイルが混ざり合って乳化し
   エンジンオイルの性能を著しく劣化させる。

【2】 バッテリーコンディションが悪く、バッテリーの寿命を縮めやすい

   エンジンの始動に使った電力や、夜間のハイビームに使った電力が
   走行中の発電量よりも上回り、バッテリーの電力収支が悪化することがある。
   現代のオートバイはFIの採用などで燃料装置が電子制御されていることが多く
   バッテリーが上がってしまった場合、エンジンが始動できなくなる。

ことが挙げられます。

例えば、スズキでは「1回の走行が8km以下」という走行条件を
シビアコンディション(バイクにとって苛酷な使用環境)とする基準を設けています。

(二輪車の点検整備について ttp://www1.suzuki.co.jp/motor/inspect/periodical.html)

そのため、1回の使用距離が短い想定用途を掲げる相談者の方は

「1回の使用距離が8km以上になるよう遠回りする」
「シビアコンディション使用下における維持費の増加を承知しつつ短距離を乗る」
「使用距離に対する車種選定を考え直す」 のいずれかを選んでください。