>>360
再処理工場と一口に言うが、六ヶ所の再処理工場はフランスとイギリスと日本東海の技術が折り重なって出来たキメラみたいなもんだ。
まあ、使える技術を集めて最新工場にしようって理想やら野心やらは、理系の人間として理解できないことはない。
だが、この工場は技術をパーツみたいに単純に組み合わせたら出来るってもんじゃあなかった。
いざ動かしてみたら、あろうことか操業前段階の確認試験、第4次アクティブ試験でバックエンドの肝心要、ガラス固化工程関連でトラブルが相次いだ。
(※確認試験は当初第1次から第5次まで想定されていたようだ。)
そのトラブルが想定以上に厄介もので、問題が解決するまで結果的に5年近い足踏みを食らう羽目になった。

が、運命のいたずらなのか、その足踏み中に、日本原子力の岐路の日、3.11を迎えることになる。
1Fの事故で原子力規制強化が世論となって、新規制基準が発表されて、その対応で足踏みお替り(大盛り)を食らう。
微に入り細に入りの過酷事故想定とその安全保障を考えさせられる羽目になったわけだ。

しかし、時も過ぎ、それもようやく乗り越えて、さあやっと申請だ、と思ったら…。

今度は、安全上重要な施設で壮大に雨漏りさせる、という事件が起こる。
この件、雨漏り自体は経年劣化もあるからある意味しょうがないことなんだが、やらかし方が非常にマズかった。
原因調査の過程で「十数年にわたって、そもそも点検すべき・確認すべき場所を間違っていた。雨漏りしてたところの隣の配管を見て問題なしとし続けていた」実態が露見したからだ。
これは、過酷事故時の安全保障がことさら強調された新規制基準審査の前なのにもかかわらず、
過酷事故時に要となる安全上重要な施設に関わる部分の点検・管理が出来てませんでした。といってるようなものだ。
そら、規制庁だってさすがにナアナアで済ますわけにいかんわ。怒る。そして、同時に疑問がわくわな。
「おたくら、ちゃんと設備わかって管理してんだろうな?」
で、今に至る。と。

長文失礼。自分でも頭の中を整理したくて書いてみた。
当初は新技術導入に対応するために延期してたけど、3.11からは新規制の対応で、2017年度の延期にいたっては原燃組織自体の問題にシフトしていると考える。