三菱重工業が、仏原子力大手アレバとの資本提携交渉を
当面、凍結する方針を固めたことが16日、わかった。

両社は原子力発電事業で業務提携しており、三菱重工がアレバに3%程度
出資する方向で検討していたが、東京電力福島第一原発の事故後、
原発事業の先行きが不透明になっていることなどから交渉を中断する。
業務提携は続ける考えだ。

三菱重工とアレバは2006年に提携し、中型原子炉の共同開発を進めたり、
ウランの加工燃料を生産する合弁会社を相次いで設立したりしてきた。
さらに、資本提携で関係を強化しようと、09年から出資交渉に入っていた。

しかし、福島第一原発の事故以降、欧州の一部で「脱原発」の動きが
広がっている。
仏国内では、アレバと協力関係にある仏重電大手アルストムが、
原発用タービン生産などで三菱重工と競合関係にあることを理由に、
三菱重工からの出資受け入れに反対する声も出ており、
現状では交渉を続けるのは難しいと判断した。