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●アスベストと震災
◆Dr.中川のがんの時代を暮らす:/58 夢の新素材に警鐘も[毎日新聞 2012年11月19日]
 大地震などで突然建物が倒壊するケースでは、アスベスト対策は後手に回ります。95年の阪神大震災でも、震災後しばらく、環境中のアスベスト濃度が上昇しました。
 アスベストを吸入してから中皮腫が発生するまで平均40年かかりますから、今後、中皮腫が増える可能性も否定できません。
 阪神大震災で被災した建物の復旧作業に約2カ月間携わった兵庫県宝塚市の男性が中皮腫と診断され、11年10月に死亡しました。西宮労働基準監督署は、この男性を労災と認定しました。
 東日本大震災の被災地でも、同様の事例が相次ぐ可能性が指摘されています。
 『しかし、阪神大震災と比べ、環境中のアスベスト濃度の上昇はわずかです。
 建材などのアスベスト規制が進んだことに加えて、津波によって建物のがれきが湿ったため、アスベストが飛散しにくい状況になったためと考えられています』。

■阪神淡路大震災でアスベスト被害。『たった2ヵ月』の震災ガレキ撤去のアルバイトで、中皮腫を発症し死亡
◆震災がれき撤去でがん発症し死亡[NHK 2012/08/24] http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120824/n66057110000.html
 労災を認定されたのは、兵庫県宝塚市の男性でアスベスト特有のがん「中皮腫」を発症し、去年、65歳で死亡しました。
 男性は、17年前の阪神・淡路大震災の直後、『2か月間だけアルバイトでがれきの撤去作業』をしていて、その際吸い込んだアスベストが原因で中皮腫になったと労災を申請していました。
 男性は、震災での作業のほかにはアスベストにさらされる仕事をしたり、アスベストを扱う工場の近くに住んだりしたことがなく、ことし6月、厚生労働省の検討会で労災の認定が決まりました。
 『専門家は、中皮腫の潜伏期間が通常40年前後であることを考えると、今後、同様の被害が増えると指摘しています』。
 また、『男性が2か月間という短期間の作業で中皮腫になっている』ことから、東日本大震災の被災地でも対策強化が必要だとしています。