>>836
続き


立民と共産の距離感の難しさは、羽田が2月27日、共産の県組織などと結んだ政策協定をめぐる混乱で表面化した。
労働運動をめぐり共産と歴史的に対立関係にある連合が問題視。「長野県連での軽率な行動」に慌てた枝野は連合会長の神津里季生に謝罪した。

それでも連合傘下の民間産業別労働組合の反発は収まらず、国民民主は推薦を撤回。
羽田に「同党の重点政策実現に向けて最優先で取り組む」とする合意文書に署名させ、
7日に再び推薦するなど迷走した。同党幹部は10日、応援入りしなかった。

ただ、地元では「中央で騒いでいるだけ」とみられている。同選挙区での野党共闘は3回連続で
定着しているからだ。県内の労組出身の地方議員は「地区によっては共産と一緒に候補者の
ポスター張りをしている」と胸を張る。

10日の松本市の演説会で、市民団体の代表が政策協定について
「一部の人たちが文句を言って足を引っ張ろうとしている」と批判し、協定内容の実現を訴えると、
羽田は聴衆とともに拍手で応えた。

国民民主の再推薦は、次期衆院選に向けて共闘の枠組みの維持を優先した代表の
玉木雄一郎の苦肉の策。同党国会議員の一人は「ガラス細工のように積み上げてきた
野党共闘のボロが出た」と語る。=敬称略(田中一世)