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 この発言は、「誤った」政治的スピーチを止めるために作られた18世紀の連邦党による
治安諸法を想起させる。彼らは国内の敵から米国を救うためにこの法律が必要だと
考えていた。米著名歴史学者のゴードン・ウッド氏は2018年のウォール・ストリート・
ジャーナルとのインタビューで、「連邦党は自分たちが一政党だとは決して考えて
いなかった。彼らは政府だったのだ」と指摘。
政府への反対者は当然のことながら(反乱・暴動などの)扇動者だった。

 現在のリベラル・エリートは治安諸法を支持した「(アレキサンダー・)ハミルトン」
に熱狂しており、彼らはおそらく政治の現状における最たる連邦主義者になりつつある。
また、メディアや著名な最高経営責任者(CEO)、
そして選挙で選出された連邦政府の全ての下部組織のメンバーは、
過去何十年間で見られなかったほど政治的に緊密な連携状態にある。
自分たちを2大政党のうちの1つとしてではなく、
「政府」として唯一の合法化された存在であると定義しようとする誘惑が、
リベラル派の間で一層強まりつつある。

 昨夏の「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」の抗議活動の中で、
名だたるメディアや大学、企業は組織内でのパージ(追放)を実行したが、
これは左派がリベラル派に要求した中で行われたものだった。
現在、保守派の人物や組織は、社会の高い位置で指揮する人々から攻撃を受けている。

 二極分化やうそ、政治的暴力の問題は、(リベラル、保守)双方にとって現実である。
米国の指導者たちは、より良い市民社会を目指す上で、
最悪ではなく、最良の米国の伝統に手を伸ばすべきである。

https://jp.wsj.com/articles/SB11035720615581634282004587256723141048732