バイデン氏と米政界主流派、主導権を握れるか
次期大統領と民主・共和両党指導者、協力の可能性は
2021 年 1 月 19 日 12:10 JST 更新

――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター

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 4人の政治家はいま、78歳と80歳、70歳、78歳だ。

 このうち1人はリチャード・ニクソン氏が米大統領だった時代に
ワシントンで政治活動を始め、他の3人はロナルド・レーガン大統領の時代に始めた。
彼らはすべてを目にしてきた。
戦争、リセッション(景気後退)、共和党の支配と民主党の支配、テロリストの攻撃、
そして現在は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を。

 端的に言えば、彼らはまさに政界のエスタブリッシュメント(主流派)を象徴する人物だ。
こうしたエスタブリッシュメント層は、1月6日に米国会議事堂を襲撃した米国市民の
攻撃対象だった。政界主流派の一団は、その後の状況に対処する指揮を執っている。

 彼らはともに、同じ問いに直面している。
その問いとは、自分たちが本当に主導権を握っているのかというものだ。

 彼らの名前を一人一人挙げれば、次期大統領のジョー・バイデン氏、
下院議長のナンシー・ペロシ氏、上院民主党院内総務のチャック・シューマー氏、
上院共和党院内総務のミッチ・マコネル氏だ。
彼らは数十年にわたって互いのことを知っている。
したがって、予想外の状況は起きないはずだ。
彼らがこれから目にするワシントン政界は、上院では完璧に2党の勢力が均衡し、
下院でも2党がほぼ均衡している。
少なくとも理論上は、こうした状況が彼ら全員を政治的中道派に幾分近づけるはずだ。