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 バイデン氏は就任から10日で多くの大統領令を出す予定だ。
就任式当日に署名予定の大統領令には、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」への復帰、
イスラム教徒が多数派を占める数カ国やアフリカ諸国からの渡航禁止令の解除、
連邦施設内や航空機、列車、交通機関で州をまたいで移動する際のマスク着用義務付け、
立ち退きや差し押さえ制限措置の延長などが含まれる。

 新政権の大統領首席補佐官を務めるロン・クレイン氏は新たなホワイトハウス
関係者向けの書簡で、「トランプ政権による最も深刻な打撃を覆すのみならず、
国を前進させるために、バイデン次期大統領は行動を起こす」と言明した。

 一方、ホワイトハウスのジャッド・ディア報道官は、トランプ氏の政策を覆そうとする
バイデン氏の計画について、「米国の安全性を弱め、経済回復を減速させ、
米労働者を傷つける重大な誤り」と評している。

 バイデン氏の大統領令は民主党リベラル派の一部が望むほど踏み込んだものとは
ならないかもしれず、バイデン氏の任期を通して軋轢(あつれき)が続く可能性がある。
一例として、学生ローンの返済猶予を延長する計画を掲げているが、
民主党内では連邦機関の学生ローン1兆6000億ドルの大半もしくは全てを免除することを
求める声も出ている。

 バイデン氏は12月、論説執筆者との会話で、大統領がそうした権限を持つか
疑問視していた。トランプ政権の弁護士らは、そうした措置は違法だと主張している。

 バイデン氏はさらに、新型コロナ危機と経済救済策に関する複数の措置を打ち出す
計画だ。それに続く週には、刑事司法制度や気候変動のほか、トランプ政権によって
国境で離れ離れになった家族の再会など、移民問題にも取り組む見通しとなっている。