「ガイジンじゃない!」ならば何者か…イッセー尾形、野外一人芝居で問う 2020/12/29 10:02

ベンチで孤独死、現場をそのまま舞台に
 地球の反対側から出稼ぎに来たものの、最後はホームレスとなって公園のベンチのそばで
息を引き取る――。ある日系ブラジル人男性を見舞った悲劇を見過ごすまいと、
NHK名古屋放送局が、現場となった団地の公園を舞台に風変わりな“公開一人芝居”を制作した。
現場ドキュメントを織り交ぜ、29日午後9時からBS1で
「ワタシたちはガイジンじゃない! 日系ブラジル人 笑いと涙の30年」として放送する。
一人芝居を演じるのはその道の第一人者、イッセー尾形。
脚本はエンタメ界をリードする宮藤官九郎に依頼し、働く外国人に頼りながら、
どうしても距離を置きがちなこの国の奇妙な一面をからりと描きあげた。

 1990年の入管法改正以降、定住資格を得て次々来日して各地で働くようになった日系ブラジル人。
祖国の長引く不況で帰るに帰れなくなった人も少なくない。
同局は彼らの姿を長期取材し、今年2月には、名古屋市内の団地の一室で孤独死した
60代の日系ブラジル人男性の日本での半生を軸に「クローズアップ現代+」で紹介。
彼らの支援を続けてきた「NPOまなびや@KYUBAN」代表の川口祐有子さんらと
地域社会が抱える課題を考えた。

 その際、別の60代男性が失業後、5年の路上生活の果てに
同じ団地の公園のベンチ付近で亡くなったこともリポート。
男性は「帰国すると家族に迷惑がかかるし、自分は死なないから大丈夫」と、
川口さんからの申し出を断っていたが、それでも最期に握りしめていたのは川口さんの名刺だった。
それを知った川上剛ディレクターが「自分なら彼からどんな話が聞けただろう」と
思いを巡らせたのが、今回の企画のきっかけだった。(以下略)
ttps://www.yomiuri.co.jp/culture/20201225-OYT8T50077/

> 番組タイトルにある通り「ガイジンじゃない」ならば、彼らは何者なのか。視聴者への問いかけでもある。
>石田望チーフ・プロデューサーは、彼らがコロナ禍で仕事を失っている実情も踏まえ、
>「労働力として来日し、日本社会で働いている外国人の方々に今こそ目を向け、
>共に暮らしていくことを目指さないと、私たちもダメになっていく時代なのでは」と訴えている。