【独自】「桜」前夜祭巡り安倍前首相の公設秘書を立件へ…
東京地検、政治資金規正法違反容疑で 2020/12/03 05:00

 安倍晋三前首相(66)側が主催した「桜を見る会」の前夜祭を巡り、東京地検特捜部は、
政治団体「安倍晋三後援会」の代表を務める安倍氏の公設第1秘書を
政治資金規正法違反(不記載)容疑で立件する方針を固めた。特捜部は安倍氏側による補填分だけでなく、
参加者の会費徴収分も含めた開催費全額を後援会の政治資金収支報告書に記載すべきだとの
見方を強めており、収支を合わせた不記載額は4000万円規模に上る可能性がある。

 前夜祭は2013年から昨年まで、後援会が「桜を見る会」の前日に東京都内のホテルで開催。
安倍氏の地元支援者らが1人5000円の会費を支払い、飲食が提供されるなどした。公設第1秘書は
安倍氏の地元・山口県を中心に活動し、後援会では16年12月までは会計責任者も兼務していた。
 関係者によると、公設第1秘書は代表のみになった後も後援会の会計処理を実質的に担当。
前夜祭に関して、開催費用の一部が補填されている事実などを知りながら、
収支報告書に計上しなかった疑いが持たれている。公設第1秘書は特捜部の事情聴取に
「後援会の収支報告書に記載すべきだった」と供述。「書かないことが慣例となっていた」とも
説明したといい、特捜部はさらに聴取を続けるなど詰めの捜査をしている。

 安倍氏側は会費徴収分のほかに、開催費の不足分を補填してホテル側に支払った疑いがあるが、
特捜部は、安倍氏側が前夜祭の前にホテル側から開催費の見積書の発行を受けていたことなどから、
総額が後援会の収支にあたると判断。少なくとも、昨年までの5年間の会費徴収分計
約1400万円については、収支報告書の収入と支出にそれぞれ計上した上で、
補填分の計800万円超も支出に計上する必要があったとみているという。
特捜部は補填分の原資にも、後援会の収入として記載すべき額があったとみて、解明を進めている。

 補填分の領収書は、ホテル側から安倍氏が代表を務める
資金管理団体「晋和会」宛てに発行された。ただ、前夜祭は後援会が主催していた実態から、
特捜部は会計処理も後援会が担うべきだと判断したとみられる。(以降登録記事)
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桜を見る会の「前夜祭」を巡る収支の構図
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