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「Black Lives Matter」と人種問題については

アメリカ初の黒人の大統領として歴史に名を残したオバマ氏は、人種問題は
「アメリカの歴史において中心的な亀裂の1つであり、我々の原罪」だとしている。

5月に米ミネソタ州で警官に首を押さえつけられて死亡した黒人男性ジ
ョージ・フロイドさんの事件などをきっかけにアメリカで今夏に広まった、
「白人と同じように黒人の命にも意味がある」という意味が込められた
Black Lives Matter運動は、世界中にも広まった。
こうした中で絶望と希望の両方が生まれたと、オバマ氏は言う。

「我々の刑事司法制度に慢性的に根強く残る人種問題と偏見が、
このようなあからさまな形で続いていることへの絶望と、
(中略)我々がかつて目にしたものをはるかに超えるほどの、
平和的な抗議活動と問題への関心があふれ出していることで希望が生まれている」

今回の抗議行動に様々な人種の人が加わっていたことが重要で、
2012年にフロリダ州で武器を所持していないトレイヴォン・マーティンさん(当時17)が
射殺された時とは人々の反応が違うと、オバマ氏は指摘する。
マーティンさんを射殺したジョージ・ジマーマン氏は翌年に殺人罪で起訴されたが、
正当防衛の主張が認められて無実となった。

オバマ氏は、2014年にミズーリ州ファーガソンで当時18歳のマイケル・ブラウンさんが
白人警官から6発の銃弾を受けて死亡した事件についても言及した。
ブラウンさんは当時、武器は所持していなかった。

これらの事件は全米で人種と公正に関する議論を引き起こした一方で、
「白人コミュニティーの大部分には、これらが単なる1つの事件ではなく、
単なる腐ったりんごの話ではないといった考えに対して抵抗感」が今もあるようだと、
オバマ氏は言う。

「あなた方は今夏、わずかな黒人しかいない一部のコミュニティーで、
人々が黒人の命は大切だと声を上げ、
本当の変化が起きなければならないという考えを受け入れる様子を目の当たりにした」

(英語記事 Obama: One election won't stop US 'truth decay')
https://www.bbc.com/japanese/54955508