菅内閣は「令和時代の昭和」 女性2人、目立つ年配男性
伊木緑、渡辺洋介、矢島大輔 2020年9月16日 22時42分

 菅義偉首相のもとで発足した新たな内閣を、識者はどう見たのか――。
 女性はわずか2人で、年配の男性も目立つ。社会派の広告などを手がけ、
ニュース番組のコメンテーターも務める企画会社代表の辻愛沙子さん(24)は
新内閣を「令和時代の昭和内閣」と名付け、「悲しくなった。あきらめのような気持ちも正直ある」とこぼす。
 1990年代後半以降に生まれた「Z世代」だ。
同世代は「将来に対する閉塞(へいそく)感や、鬱屈(うっくつ)した空気感がある」という。
「年配の人が国を引っ張るなら、自分たちの声って届かないのかなと思ってしまうし、
政治に対するあきらめ、経済に対するあきらめは、自分の人生へのあきらめにもつながる。
いまを生きる国民の方を見て政治をしてほしい」と指摘。
世界経済フォーラムによる日本の「ジェンダーギャップ指数」は世界121位だ。
「中でも格差が大きいのが政治であることは明白なのに、
それに向き合わないことは無責任だし、政治における男女格差を是正してほしいという
我々の期待も届いていないなら、あまりにも浮世離れしている」。
 菅氏が自民党総裁選で言及した「不妊治療の保険適用」は評価しているが、
「出産費用の負担軽減や育児の環境整備、収入を増やすことなど、少子化対策ですべきことは
ほかにもある。当事者を代弁できる人、声を拾える人が必要なのではないか」と訴える。(続く)