ハリス氏の人物像どう描くか、複雑な闘い
バイデン氏の副大統領候補は、民主党の支持層を高揚させつつ浮動層を引きつける必要がある
2020 年 8 月 17 日 05:29 JST

――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJのチーフコメンテーター

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 米民主党のジョー・バイデン前副大統領はカマラ・ハリス上院議員を副大統領候補に
選び、正式な大統領候補指名を受ける前の最後の大きなタスクを完了した。
現在のハリス氏の課題は、民主党の支持層を高揚させ、
なおかつ左派と右派の中間にいる浮動層を引きつけることだ。

 理論的には単純に聞こえるが、実際は複雑だろう。

 ハリス氏が有色人種の女性として副大統領候補になったということ自体が、
民主党の支持基盤を色めき立たせた。とはいえ、その面でもすべきことはまだある。

 党内の進歩派の多くは昨年、ハリス氏の大統領選出馬を好感せず、
検察官としての実績が法と秩序の推進に傾き過ぎていると感じていた。
また、同氏はヘルスケアや気候変動といった問題を巡り、
バーニー・サンダース上院議員が打ち出した姿勢に全面的に同調することもなかった。

 それでも民主党関係者によれば、差し当たり反応は前向きだ。
民主党の世論調査員ジェフ・ガリン氏は、「現在実施している定性調査によると、
サンダース氏の元支持者らも含め、彼女は予想外に大きな熱狂で迎えられており、
民主党のチケット(正副大統領候補)の中に有色人種の女性がいるという事実に
強い誇りも感じられている」と述べた。