コロナと豪雨で疲弊した日本をこの夏襲う「ダメ押しの災害」とは
7/31(金) 6:01配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/16d60b270a2e3ee631e805a58da919164a3a67a1

第一のリスクは「熱波」です。
熱中症による死者が、近年では1500人を超える年が頻出してきました。
昭和の時代の夏はこれほど暑くはなく、熱中症で死亡する人は毎年2桁レベルだったのと比べて、令和の時代の熱中症は、非常に身近なリスクとなってきています。
この先、5〜7年ごとに耐え切れない熱波として襲来する可能性があることを、スーパーコンピュータが予測しています。さらに真夏の熱中症死リスクは、屋外だけでなく室内で訪れます。
あまりにも暑い夜、クーラーがない部屋で窓を開けて床についているうちに、その暑さのせいで気づくと体力を奪われて動けなくなっていく。
2000年代に熱波が襲ったヨーロッパでは、こうした形でたくさんの高齢者が就寝中に熱中症で命を落としてしまいました。

そして第三のリスクが、10月のスーパー台風です。
以前の記事では、命を奪うリスクという観点でいえば、豪雨災害は台風よりも注意すべきと述べました。しかし経済損失という観点でいえば、豪雨よりもずっと恐ろしいのがスーパー台風です。
特定の気圧配置の中で海面温度が上昇して発生するというメカニズムから、毎年秋にはスーパー台風の到来リスクに備えなければならないのです。
昨年の台風15号では、千葉県を中心に長期の電力停止が起きました。台風のリスクが何を意味するのかについても、2020年代を通じて、認識のアップデートが必要だと考えられます。
台風被害の特徴は、前述の通り経済損失の大きさです。電力や物流などのライフラインを分断することで、産業全体に大きな影響を及ぼすリスクを想定しなければいけません。
日本のあらゆる製造業がサプライチェーンを細かく分けた分業制が進んだことで、そのチェーンの一部を担当する工場が台風の直撃を受けて稼働できなくなると、長期間にわたって特定の製品が市場に出回らなくなるリスクも生じます。