高橋泰教授が新型コロナをめぐる疑問に答える
7/27(月) 5:25配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f9e692838c43ff63c24bcac2a4e5b80e8a05d2a

――「PCR検査でたまたま見つかっただけ」というお話でした。しかし、テレビではこの数ばかり報道して「第2波が来た」としています。先生はPCR検査を拡大することの問題点も指摘されています。

なぜ、「PCR検査陽性者数」を重要視するのかと疑問に思う。新宿や池袋では特に、感染事例が多いとして、今、検査を盛んに行っている

■PCR検査の「陽性」「陰性」が隔離に使えない理由
企業が採用のために「PCR検査を受けてこい」といったなどという話があるが、「陰性証明」などほとんど意味がないのではないか。
抗体があるのにPCRは陽性になりうるし、PCR陰性といわれても次の日には暴露して陽性かもしれない。このことがほとんどの人に理解されていない。
PCRの「陰性」が意味するところは、「検査時の前1週間程度は、新型コロナに感染していないこと」であり、2週間前に感染していた可能性や検査直後の感染可能性はまったく否定できない。

前回も話したが、感染者に照準を当てて無症状者の検査をどんどん拡大して、陽性者の入院や隔離を行うことは、医師や看護師など医療従事者に過大な負担をかけ、医療資材を費消する。
肝心の重症者に手が回らなくなるおそれがある。また、無症状なのに入院・隔離させられた人の社会・経済活動を制限するので、社会全体にとって大きな損失だ。

――世界的にも感染者数の拡大に焦点を当てた報道が多いですね。

世界的に見ても、日本と同様に検査数の拡大によって感染が見つかる数は急激に伸びているが、死者数はそれほどには増えていない。

日本が欧米と違う点は3つ。第1に環境面だ。リスクの高い高齢者をウイルスから隔離する仕組みが高齢者施設で徹底し、
高齢者一人ひとりの自主的な隔離も行われていたこと。もともとインフルエンザウイルスやノロウイルスへの対策が徹底していた。

――前回、すでに日本人の30%が暴露しているとしたことについて、この数字はどうやって出したのか、という質問がありました。

現状の7月25日時点の暴露比率は30〜40%に想定するのが、実態に合っていると判断している。