「Go To」直前まで迷走、世論反発でキャンセル料免除…国交省幹部「これほど逆風吹くとは」
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200722-OYT1T50104/

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」は22日の開始直前まで迷走した。新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動再開の間で政府は揺れ動き、事業の開始時期や対象範囲、キャンセルに伴う補償など方針は二転三転した。

「やむを得ず、東京発着の旅行は対象から除外とした。これに伴うキャンセル料は旅行者に不利益が発生することのないようしっかり対応していきたい」

 首相は21日、自民党本部で開かれた役員会でこう釈明した。

 政府は当初、キャンセル料を補償しない考えを示していた。赤羽国土交通相は17日の記者会見で「考えていない」と明言、事業の旗振り役である菅官房長官も「特段の対応は行わない」と語っていた。

 しかし、誤算だったのが、世論の強い反発だ。都内の旅行業者からは「我々を救済するための事業で損をさせるのか」などと不満が噴出した。赤羽氏の出身である公明党からも「国が考える必要がある」(石田政調会長)などと異を唱える声が上がり始めた。

 国交省幹部は「逆風がこれほど吹くとは思わなかった」と唇をかむ。菅氏と赤羽氏は週末の18、19日に電話で連絡を取り合い、キャンセルに伴う事業者の実損を国が穴埋めする方針に転じた。そもそも大量のキャンセルが生じたのは、政府が東京都発着の旅行を事業の補助対象から除外したためだ。菅氏は21日、「政府の方針で迷惑をかけたから、やはり政府の責任で補償をやらざるを得ない」と周囲に漏らした。

 事業の開始時期も曲折をたどり、関係者をやきもきさせた。「7月の早い時期」を目指したものの、間に合わず「8月の早い段階」となり、最終的には7月23日からの4連休に間に合わせるため、22日に前倒しとなった。自民党の閣僚経験者は「政府対応はぶれにぶれまくったという印象を持たれた」と指摘する。

 首相は23日からの4連休に合わせ、山梨県鳴沢村の別荘訪問を検討していたが、取りやめた。別荘滞在やゴルフは毎年夏の恒例だが、この時期に都外で休暇を楽しめば、さらなる批判を招きかねないと判断したようだ。

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