そうだね_____

「他人事な安倍首相の責任を明確に」元伊藤忠商事社長・元中国大使 丹羽宇一郎氏〈週刊朝日〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200510-00000017-sasahi-bus_all

 安倍首相には知恵と力の官房長官がついているのに、コロナ政策はどうなってしまったのか。
緊急事態宣言は誰の権限と責任において決められたのか、まったくわからない。立派な専門家が
いる以上、どういった科学的データに基づき、誰がどう判断したのか公表し、意思決定するべきです。

 しかし、実際には中途半端で細切れ対応になっている。人との接触を「できれば8割削減する」と言うが、
いまだに多くの人が接触だらけの電車を使っている。マスクの配布も、10万円の給付も、原稿の
棒読みだけで他人事のように感じる。

 権限と責任が明確であれば、その人物が「この状況ではだめだ」「こうしないといけない」と
危機感を持って迅速に取り組むはずだ。科学的な説明があれば、どうすればいいか考えられる。
こうした状況をつくることもリーダーシップの大切な点です。

 今回だけではない。森友・加計学園の問題でも、誰の責任と権限で判断したのか、わからない。
首相は「私が責任をもって」などと言いますが、責任をとったことがない。政治家は誰一人責任をとっていません。

 多少でも見通しを示せないことにも、大きな問題がある。本来ならば、緊急事態宣言が解除されたら
「こういう状況になると思う」「こういう状況にしたい」など、一つでも二つでも明るい見通しを出すべきです。
「我慢しろ、我慢しろ」とばかり言って、国民に自粛をお願いするだけでは安心できない。疲弊してしまうだけです。

 日本経済についてはっきり言っておきたいのは、いまのような無策では問題が一段落しても、
「V字回復はない」ということ。感染が終息し、「さあ働け」と言っても、生き物である経済は機械の
ようにすぐに動きません。人手不足もある。コロナが終わったと思っても、また暴れだす可能性もある。
少なくとも一年くらいは、慎重に見ていくべきです。