野田秀樹さん「劇場閉鎖は演劇の死」 公演自粛に意見書 井上秀樹 2020年3月1日 18時38分

 劇作家・演出家の野田秀樹さん(64)は1日、
政府が新型コロナウイルス感染対策として文化イベントの自粛を要請したことに対し、
「一演劇人として劇場公演の継続を望む」との意見書を公式ホームページで発表した。

 政府の要請を受け、野田さんが芸術監督を務める東京都立の東京芸術劇場など
国公立劇場の主催事業や、松竹主催の歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季といった
民間大手のほとんどが3月前半までの公演中止を決めている。

 意見書では、感染症の専門家と協議して対策を十全に施すことを前提とした上で
「予定される公演は実施されるべき」とした。理由として「演劇は観客がいて初めて成り立つ芸術です」
「ひとたび劇場を閉鎖した場合、再開が困難になるおそれがあり、それは『演劇の死』を意味しかねません。
劇場閉鎖の悪(あ)しき前例をつくってはなりません」と危機感を表した。

 また、上演できるかわからない現状で公演を準備する演劇人を擁護し、
「『身勝手な芸術家たち』という風評が出回ることを危惧します。
公演収入で生計をたてる多くの舞台関係者にも思いをいたしてください」と呼びかけている。
 野田さんの意見書の全文は次の通り。(以下略)

ttps://www.asahi.com/articles/ASN3164G4N31UCVL00B.html