首相が野党から奪おうとするものとは 麻生氏が公言する 有料記事 2020年2月2日 13時45分
日曜に想う 編集委員・曽我豪

 長蛇を逸するのはこれで何度目か。
 長期政権の綻(ほころ)びは誰の目にも明らかなのに、野党は立憲民主、国民民主両党の
合流一つ答えを出せない。政策論争の末ですらないのだ。対等合併か否かといった
皮相な争いが合流を阻む。政権交代の入り口のはるか手前で立ち往生する。

 小沢一郎氏が、合流出来なければ「国民に対する裏切り行為だ」となじるのも無理はない。
思い返す言葉がある。
 2007年秋のことだ。
 民主党は夏の参院選で大勝、福田康夫自公政権を衆参ねじれに追い込んだ。
衆院選で一気に政権交代だと党内が主戦論に染まるなか、
突如、小沢代表と福田首相の党首会談で大連立構想が浮上した。

 なぜ敵対する政権を延命させかねない大連立を考えたか。党内の猛反対で頓挫した後、
小沢氏は朝日新聞のインタビューでその狙いを赤裸々に語った。(以降登録記事)
ttps://www.asahi.com/articles/ASN222TFMN1WULZU008.html

> それは政策実現上の実利だった。
>「農業政策、年金、子育て、高速道路無料化など、我々の目玉政策ものむかもしれない。
>画期的なものが民主党の主張で実現できれば、選挙に絶対有利だ」
> ただ、続く言葉には一種孤独な危機感がにじむ。
>「だが、みんなどうせ実現できないと思っていて民主党議員でさえそんな気がする。
>それは権力を知らないからだ。僕は権力をとれば簡単にできることを知っている」