「おじけづいたトランプ」報道も…イラン指導部は戦争回避に安堵
2020/01/09 12:22
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200109-OYT1T50106/

 【テヘラン=水野翔太】トランプ米大統領が8日の演説で
イランに対する軍事力の行使に否定的な考えを示したことに対し、
攻撃を実行したイラン革命防衛隊に近いファルス通信は8日、
「イランのミサイルにおじけづいてトランプが大きく譲歩した」と報じた。

 イラン国内では、精鋭軍事組織「革命防衛隊」のスレイマニ司令官が
米軍に殺害されたことに、報復を求める声が高まっていた。
弾道ミサイル攻撃で報復を果たす一方、
米軍との全面戦争は避けられる見通しとなったことで、
駆け引きに勝利したと受け止められているようだ。

 イラン政府関係者は8日、トランプ氏の演説について、
本紙の取材に「良かった。事態の急速な悪化は避けられそうだ」と話した。
米国とイランの軍事力の差は歴然としており、イランもトランプ氏の反応を注視していた模様で、
本音では安堵あんどしているとみられる。

 イランが8日、米軍などが駐留するイラクの基地へ行った弾道ミサイル攻撃では、
米軍拠点への攻撃が事前に予告されていた上、ミサイルも最新鋭でない型が使われていた。