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日米貿易協定を「ウィンウィン」と呼ぶ日本の敗北主義
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/10/post-1117.php
もう1つは、今回の協議についてトランプ大統領が語った「日本のデジタル市場を4兆ドル規模で解放させた」
というセリフです。この問題ですが、とりあえず現在そうなっているように、米国サーバーから日本の消費者が
アプリやソフト、コンテンツをダウンロードする際に「消費税はかけるが関税はかけない」と言う扱いを今後も
保証したということです。

安倍首相としては「消費者へのメリット」という部分に入るのかもしれません。ですが、トランプ大統領の言う
「4兆ドル(約430兆円)」という数字はあまりに巨大です。

アメリカとしては、今後も進むコンピューター・テクノロジーの進歩により、日本におけるソフトウェアの市場は
どんどん拡大する、その規模が、もちろん単年度ではなく何年にもわたってのトータルで430兆円になるとして、
それをごっそり持っていこう、しかも関税ゼロで儲けようというのです。

これは大きな問題です。現在でも、日本人による日本語を使ったコミュニケーションが、米国の企業が運営する
SNSのサーバーを通っているわけですし、コンピューターもスマホもタブレットも、日本が開発したOSなど影も形も
ありません。ソフトウェアに関しては、かつて技術立国を自称し、情報立国を目指していた国の面影はどこにも
ないのです。

そのような「全敗」状態が今後も続く、その際に動くカネには関税はかけられない、そのトータルの市場規模は
430兆円にもなる。そうであっても、関税ゼロなら消費者にメリットがあるのだから、それも「ウィンウィン」というのが
全体のストーリー......であるのなら、これは恐ろしいまでの経済敗北主義ではないかと思うのです。