>>589の続き

 社民党は前述した比例配分政党の要件を満たさなかったため比例議席配分はなされず
小選挙区当選者のみの1議席とした。このため野党の得票率の方が高いのに与党の議席が
上回ることとなった。
 この他に小選挙区で無所属当選者が26議席あり、そのほとんどが野党系であることをみれば、
事実上、野党が与党を上回る。ちなみに議員総数は654議席となり現行衆議院議員定数465から大幅に増える。

 もう一つ、みてみよう。もし、日本がフランスの制度だったらどうなるだろう。
 フランスの下院の選挙制度は単純小選挙区制である。まず、投票結果で過半数を得票した候補者は
無条件で当選となるが、該当者がいない場合は、上位2人で決選投票となる。1週間後に決選投票がなされ、
多数を得票した候補者が当選となる。日本では野党が乱立して与党を利する、ということがあった。
仮にこの制度であれば、決選投票で与野党一騎打ちの構造になる可能性が高い。

 仮に昨年10月の総選挙で与野党一騎打ちの対決となればどうなっていたのか。各種マスコミの試算によると、
各野党候補の得票を単純合計すると60以上の小選挙区で野党が与党に逆転勝利する。
もちろん、野党候補を一本化したら他の野党票をすべて取り込むことができるとは限らないが、
一つの示唆に富む試算である。

 以上、頭の体操をしてきたが、もちろんここは日本であり、負け惜しみを言おうとするのではない。
国民の投票行動をみると、決して自民党が圧倒的な支持を得ているわけではないということだ。
野党は悲観しても楽観してもならない。

 来年7月の参院選、そしていずれ来る衆院選は恐らく安倍晋三首相と戦うこととなる。
 私たち立憲民主党は、国民のみなさんとつながり、日常の暮らしや働く現場の声を立脚点とした
ボトムアップの政治を目指している。「多様性を認め合い、一人ひとりの持ち味が発揮される社会」
「困ったときに寄り添い、お互い様に支え合う社会」という目指す社会像をわかりやすく掲げていく。

 その上で、それぞれの選挙で勝ち上がるための充実した活動をし、できる限り与野党一騎打ちの
構造に持ち込む、この不断の努力を続けていけば道は必ず開ける。