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社長と副社長が緊急時に言い争い

「共同経営体制なのに、なぜ同時に情報を入れてくれなかったんだ」。翌8日朝の会議でムノント副社長は、山谷社長にそう噛みついた。
山谷氏が「だったらお前が日本語を勉強しろ」と応じると、ムノント氏は「お前がフランスに来たときは、フランス語で情報共有するからな」と
吐き捨てたという。

口論にいらだったある社員は、「そんなケンカをしていないで、意思決定をしてください」と言い放った。だがその場にいた社員らは
部屋から出され、会議が中断。経営陣のみの話し合いが30分以上行われた。呆れた何人かの社員は会議の再開を待たずに、
持ち場へ戻ったという。

民営化後の社内のモチベーション低下は著しいという。「旧体制から経験を積んできた“航空のプロ”がどんどん辞めている」
(航空会社幹部)。しかも、「多種多様な部門でまんべんなく離職者が次々に出ている」(関空関係者)。

直近では空港業務に関する外部コンサルタントの起用が目立ち、社内からは疑問の声が相次いでいる。「高いお金をかける割には、
使えるような提言はほとんどないと社員の多くは思っている」(関係者)。今回の危機対応をなんとか乗り切ったものの、
「コンサルだらけの生活に戻ることに頭を抱えている社員もいる」