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4〜6月期実質GDP、年率3.0%増に上方修正
2018/9/10 9:00 (2018/9/10 10:12更新)

内閣府が10日発表した2018年4〜6月期の国内総生産(GDP)改定値は物価変動の影
響を除いた実質(季節調整値)で前期比0.7%増、年率換算で3.0%増だった。速報値
(年率1.9%増)から大幅な上方修正で、成長率が年率3%を超えるのは16年1〜3月期
以来の9四半期ぶりだ。民間企業の設備投資が速報段階から大幅に上振れした。

4〜6月期の内外需の寄与度をみると内需が0.9%分の押し上げ寄与となり、内需主導の
成長を示した。内需の前期比でみた伸び率は15年1〜3月期以来の13四半期ぶりの大き
さとなった。一方、外需は0.1%分の押し下げ寄与となった。

内需のうち民間企業の設備投資は実質で前期比3.1%増と、速報値の1.3%増から大きく上
振れした。財務省が3日発表した4〜6月期の法人企業統計で設備投資額の前年同期比伸
び率は約11年ぶりの大きさとなった。運輸・郵便や電気、化学の設備投資が堅調だった。

GDPの6割を占める個人消費は0.7%増と速報値から横ばい。18年1〜3月期の0.2%減
からプラス成長に戻した。伸び率は17年4〜6月期(0.8%増)以来となる1年ぶりの高
い水準だ。自動車がけん引し、飲食サービスも小幅に上方修正に寄与した。

民間住宅は2.4%減と、速報値の2.7%減からマイナス幅が縮小した。不動産仲介手数料が
上方改定となった。
民間在庫のGDPに対する寄与度は0.0%と速報値から横ばい。4〜6月期は在庫の積み
増しや取り崩しに対するGDPへの寄与度は軽微だった。

生活実感に近いとされる名目GDPの改定値は0.7%増、年率で2.8%増。名目ベースでも
速報値の年率1.7%増から大幅な上方修正で、17年7〜9月期(3.2%増)以来の高い水準
だった。