>>712
週刊文春 2018年11月29日号
「プーチンは全部呑んだ」と有頂天
国後、択捉を失った「安倍ファースト」外交の罪
ttp://shukan.bunshun.jp/articles/-/10476
 政治部デスクの解説。
「今回の合意は、1956年の日ソ共同宣言を基礎に北方領土交渉を加速させるという内容です。要は歯舞群島、色丹島の
二島先行返還=B野上浩太郎官房副長官は『これまでの政府方針通り』と淡々と説明していましたが、実際には国後島、
択捉島も含めた四島一括返還≠ニいう従来方針を大きく覆した形です」
 四島返還にこだわっていた小泉純一郎元首相について「小泉さんは外交から逃げてきた。日露関係をおかしくした」と批判
してきた安倍首相。そこで、プーチン氏との議論の中で生まれたのが新しいアプローチ≠セ。側近たちとこんな議論をして
きたという。
「北方領土全面積の7%とはいえ、二島返還で日本の領海は広がる。しかも、四島での共同経済活動を進められれば、
日本人は国後島や択捉島に行って事業を起こすこともできる。これが新しいアプローチだ」

「外遊は政務担当審議官が同行するもので、次官自ら会談の場にまで同席するのは珍しい。首脳同士で合意した内容を
事務方が後退させないように≠ニいう首相の意思の表れでした。秋葉氏の動向は直前に決まったようです」(同前)

 二島返還に「難しいんじゃねぇの」と消極的だった菅義偉官房長官も最近になって「これで決める」と前向きになる。さらに
首相の右腕、今井尚哉首相秘書官も月刊「文藝春秋」6月号のインタビューで<外務省は北方領土問題を前に進めるアイデア
を持っていません>と切り捨てた。そして首相が主導する形で、今回の二島先行返還″意にこぎつけたのだった。
 なぜ本来歩調を合わせるべき首相と外務省との間で、これほどの溝が生まれたのか。
(続く)