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月刊Hanada2019年1月号
青山繁晴 澄哲録片片 残照の時代
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 入管法改正案をめぐって菅官房長官と極秘裏に親しく議論した、ある要人は「外国人労働者の件は菅さんがやっているんですね」
とわたしに驚いた顔を見せ、「日本を誤りますよ」と言うと菅さんは激烈に反論されました。あんな菅さんはこれまで知らない。
自分がやっているんだという気迫を全面に出されてね、人手不足で会社を潰すわけにいかないだろと怖い顔で力説されました」と
語った。
 安倍総理は、この菅官房長官を深く信頼している。

 わたしは入管法改正案について連続六回という異例のペースで開かれた党の法務部会で毎日、発言した。

 公用で出席できない野上浩太郎官房副長官の代わりに、わたしが本来は属していない内閣委員会に出ると、野党の良心派と
呼ぶべき矢田わか子議員が「日本人で就労したいのに就労できない国民が合計で1千2百万人いる。なぜ外国人の前に、こちらを
優先しないのか」と質問した。
 すると宮腰光寛担当大臣は「中高年齢者、子育て後の女性、就労できない若者が就職できるよう、引き続き、努力する」という趣旨
を答弁した(いずれもあくまで趣旨)。

 では今まで、どんな努力を具体的に、実際にやってきたのか。
 そこを言えずして、なぜ、このような安易な答弁で済ませるのか。
 わたしが非力ながら常に意識する最大の難事は、安倍内閣の最後の現実が日本国そのものを残照の国にしてしまいかねないこと
である。
 総裁選をみたび勝ち抜いて内閣改造と党人事を行い、現体制を発足させて以降の安倍晋三総理に、不審の眼を向ける国民は
少なくない。
 不肖わたしの地味な個人ブログは、あくまで多い月には、ということではあるが、3百万に迫るアクセスが到来することもある。
そこに怒りの書き込みが溢れている。
 感情的な物言いに見えて、その裏の現実は「この総理にまさか裏切られるのなら日本が明日を喪う」という深い真っ当な憂いであり、
安倍総理が再登板した志に、いかに期待があったかの逆説明でもある。
 裏切りかと受け止められている政策は幾つもある。
 本稿でこれまでも触れてきたが、・・・