水が引き、高齢者の遺体発見も…倉敷・真備
7/9(月) 12:13配信 読売新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180709-00050016-yom-soci

「まだ大丈夫じゃ」。7日午前7時頃、同町有井の男性(74)は自宅1階の家財道具を2階に運び上げていた。

しかし、水位は30分ほどで胸の辺りまで上昇。慌てて119番したが、「救助要請が殺到している。あと10時間はかかります」。
水が2階まで押し寄せ、木製のドアをハシゴ代わりにして隣の倉庫の屋上に逃れた。

自衛隊のボートに救助されたのは午後3時頃。「まさかここまで水はこんやろ、と思っていた。『もうダメか』と腹をくくった」。
高台にある小学校の避難所に逃れた佐々木さんは、疲れ切った表情で語った。

徐々に水が引き始めた8日以降、逃げ遅れた住民とみられる遺体も次々と見つかった。県警によると、9日午前までに、真備町で男女10人の遺体が見つかった。
ほとんどが70〜90歳代の高齢者で、民家内やその周辺から見つかった人が多く、全員が水死とみられる。

住民女性(59)は「市は避難指示を防災無線で呼び掛けていたが、あの豪雨では全然聞こえない。高齢者に逃げろと言われても酷ではないか」と漏らした。

8日夕に市役所で記者会見した伊東香織市長は「これほどの急激な水位上昇は見込んでいなかった。
水没した建物に、今もどれぐらいの人が取り残されているのか正確に把握できていない」とした上で、「救助活動に24時間態勢で取り組みたい」と話した。