ユーロ圏共通予算創設を提案へ 独仏が合意、統合深化の新段階 2018.6.20 20:44更新

 【ベルリン=宮下日出男】ドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領は19日、
ベルリン郊外で欧州連合(EU)改革について議論し、ユーロ圏共通予算の創設を目指すことで合意した。
28、29日のEU首脳会議で提案する。財政統合への一歩で両輪の独仏が歩調をそろえた。

 ギリシャなどを見舞った債務危機では通貨を共有しながら、
財政や経済力はばらばらというユーロ圏の欠陥が指摘された。
共通予算はその克服を目指す改革の一つで、マクロン氏が強く提唱。
ドイツでは負担が増えると慎重論が強いが、メルケル氏が歩み寄った。

 マクロン氏は記者会見で「われわれは共通通貨の第2段階を始める」と強調。
メルケル氏は「複雑なテーマだったが、よい解決策が見つかった」と述べた。

 両首脳の共同宣言では、共通予算はユーロ圏諸国の技術革新などへの投資を通じ、
競争力などの格差是正を図ることが目的とした。2021年からの運用開始を目指す。
財源や規模などの詳細は今後、他のユーロ圏諸国と協議する。

 メルケル氏が歩み寄ったとはいえ、双方には規模などをめぐって相違がある上、
オランダなど共通予算に反対する国もあり、議論は容易でないとみられる。

 両首脳は外交・安全保障など各分野の改革も議論。
共同宣言は難民・移民政策について「一方的で協調を欠いた行動は欧州を分断する」と表明し、
国境での移民流入対策強化をめぐり政権内が対立するメルケル氏にマクロン氏が同調した。

ttp://www.sankei.com/world/news/180620/wor1806200020-n1.html