【大阪北部地震】倒壊ブロック塀、点検漏れ 過去2回の調査、報告書に記載なし
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 大阪府高槻市立寿栄(じゅえい)小学校でプールのブロック塀が地震で倒壊し、小学4年の女児(9)が下敷きになり死亡した事故で、学校で実施された過去2回の安全点検で、このブロック塀が検査対象になっていなかったことが19日、同市への取材で分かった。
チェック項目には施設の「塀」も含まれているが、報告書には検査対象物がないものとして扱われていた。

 大阪府警は同日朝から現場検証を実施。業務上過失致死容疑も視野に、ブロック塀の安全管理に問題がなかったか捜査を始めた。今後、市の担当者などからも詳しく事情を聴く。

 同市は18日の地震後に行った会見で、ブロック塀の高さや構造が「建築基準法に違反している」との見解を示した。それまでは違法建築物との認識がなかったとしているが、安全点検で見逃されていた経緯を含めて市も原因を調査する。

 倒壊したのはプールサイドの塀で高さ3・5メートル。1・9メートルの基礎部分の上に、1・6メートルのブロック塀が積まれた構造だった。

 建築基準法や同法施行令では、塀の高さは2・2メートル以下と規定され、塀を固定するための「控え壁」の設置も必要になる。
今回の塀はいずれの規定も満たしておらず、市は「違法建築物だった。構造の脆(ぜい)弱(じゃく)性が倒壊した原因と考えている」との認識を示している。

 ブロック塀部分は少なくとも10年以上前に設置。同法に基づいて3年に1回、業者に委託して校舎の点検が行われているが、市が直近の昨年2月と平成26年2月の点検報告書を確認したところ、
いずれも「塀」のチェック項目について、検査対象物がないことを意味する記載がなされていた。