北大が防衛省の助成辞退 「軍事研究」めぐる学術会議声明受け初
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 軍事転用可能な基礎研究を助成する防衛省の公募制度をめぐり、これまでに約2330万円の助成を受けていた北海道大が継続を辞退していたことが8日、防衛装備庁や大学側への取材で分かった。
同庁によると、助成を受けていた大学が、途中段階で取り下げたケースは初めて。

 この制度は平成27年度に創設され、これまでに企業や研究機関のほか、北大を含む9大学が助成対象として採択されている。日本学術会議は軍事研究につながりかねないと懸念する声を受け、
昨年「研究の進捗管理などで政府の介入が著しく、問題が多い」との声明を出している。

 北大広報課は「声明を尊重し、今後については日本学術会議の検討結果を参考にする」と話した。同庁は、北大の辞退について「大学の意思を尊重する」としている。

 北大が助成を受けていたテーマは「船などが受ける水の抵抗を小さくする研究」。研究期間は28〜30年度とされていたが、今年3月、辞退を申し出たという。

 研究していた北大大学院工学研究院の村井祐一教授は「大学と長期間にわたって協議したので、その判断を受け止めたい」と話した。