南京事件の存在は膨大な資料によって実証されている。
被害者の中国人や第三者の外国人が残した資料だけではなく、加害者にあたる日本軍の資料からも、事件の存在は明らかなのである。ここに陰謀論が入り込む余地などまったくない。

南京事件の「定義」は、研究者によって時期的範囲や地理的範囲、犠牲者の取り方などにずれがあるため一言で説明することは困難である。
しかし「1937年末から1938年初頭にかけて日本軍が南京で繰り広げた暴虐事件」という程度には一致を見ている。各論者が述べる「犠牲者数」となると万単位で幅が出てくるが、事件そのものを否定するまともな研究者は一人も存在しない。
当然ながら日本政府も事件を否定する立場はとっていない。