米移民政策で連邦と州が対立、板挟みの雇用主
カリフォルニア州では連邦当局に令状の提示を求めなければ罰金も
By Nour Malas
2018 年 2 月 14 日 10:24 JST

 【ロサンゼルス】米カリフォルニア州農業事務局連合(CFBF)のブライアン・リトル氏
は最近、州内の数千人の会員に対して一通の電子メールを送信した。連邦政府の
移民当局が検査に入る可能性があるとの報道を受け、農場に適切な対応を求めるためだ。

 カリフォルニア州の雇用主は移民当局の担当者を私有地に立ち入らせる前に、
令状か召喚状を提示するよう求めなければならない。また雇用される側の機密情報を
提示する際も、同様の対応をする必要がある。1月に成立したこの法律を順守しない
雇用主には、最大で1万ドル(約108万円)の罰金が科される。

 ドナルド・トランプ米政権が不法移民取り締まりを強化する一方で、
カリフォルニア州では不法移民が国外へ追放されないよう対策を徹底させている。
このため同州の事業者は州政府と連邦政府の取り決めの間で板挟みになりつつある。
事業者側からは新たな取り決めが分かりにくいとする声も上がる。

 「今はそれぞれの意図が対立している。一方では連邦政府が取り締まりを
徹底しようとし、もう一方では州政府がそれを妨げようとしている」と、
CFBFの雇用政策部門ディレクターを務めるリトル氏は話す。
「CFBFの会員は、その板挟みになっている状況だ」

 カリフォルニア州の新たな法律が施行された直後、連邦政府の移民当局は
セブンイレブンの店舗で抜き打ち検査を実施。その中にはカリフォルニア州内の
店舗も含まれた。州当局者によれば同州では数多くの店員が逮捕された。