その医療、ホントに要りますか…風邪に抗生物質は効きません!
1/15(月) 12:11配信 読売新聞(ヨミドクター)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180115-00010000-yomidr-sctch

原因の9割はウイルス

抗生物質(抗菌薬)には細菌を殺す効果があり、感染症の治療に欠かせない薬です。
風邪にも広く使われており、全国の医療機関のレセプト(診療報酬明細書)データでは、急性上気道炎(風邪)の6割以上に抗生物質が使われていました。

しかし、風邪の原因の9割は、細菌よりはるかに小さいウイルスで、抗生物質は効きません。
これは、患者に薬を使用した海外の多くの研究で確かめられています。使用すると、逆に下痢、嘔吐(おうと)などの副作用が増えるのです。

実は、多くの医師もこのことは知っています。それなのに抗生物質を処方するのは、風邪をこじらせて肺炎などになるのを防ごうと考えているからです。
しかし、肺炎などの予防効果もほとんどないことが、様々な研究で明らかになっています。

使いすぎで「薬剤耐性菌」が問題に

厚労省が手引きを作成したのは、抗生物質の使いすぎで、薬の効かない「薬剤耐性菌」が問題になっているからです。
耐性菌は治療が難しく、英国では年間約5000人、米国では2万3000人が死亡しているといいます。
日本でも英米同様に多数の人が命を落としているとみられます。風邪など軽い症状に乱用していると、肝心な時に効かなくなってしまうのです。