日本の政治家は目線が低すぎる 矮小化した議論ではこの国は変わらない
http://toyokeizai.net/articles/-/201163
自民党であれ、民進党であれ、「日本の国家運営の新しい理念はこういうものであるべきだ」ということをしっかり提案できるリーダーでなければ、新しい政治勢力をつくることはできないと私は思っている。
そういうことをやってくれそうな与野党の政治家の数人に声をかけて、この1年、「●●勉強会」というものをやってきた。
月に1回、2時間、テーマを決めてみっちり講義や討議を行う。勉強は積み重ねだから、「1回でも欠席したら、次から来なくていい」というルールにした。
脱落者こそいなかったが、1年間の勉強会を通じて感じたのはとにかく勉強不足ということだ。
それぞれに良い学校も出ているし、それなりの政治キャリアを積んでいる。1年間の勉強会で吸収したり蓄積したりしたものの中からもっと大きな国家ビジョンというものが出てきて当然なのだが
自分なりの日本のビジョンをつくり上げて、「先生、こういうことですよね」と言ってくる政治家は一人もいなかった。
現在の小選挙区制の選挙区当たりの平均有権者数は35万人で、これは市長選レベルに等しい。
市長選レベルの小さな選挙区から出てくるから、目線が低くなって、地元への利益誘導が政治活動の中心になる。
天下国家を論じたり、外交、防衛、経済といった日本の長期的な課題に向き合ったりする政治家が出てきづらいのだ。
議員になることが目的化して、「この国をこうしたい」という情熱とエネルギーを持った政治家が本当に少なくなった。
小選挙区制の弊害についても国政レベルの議案にあげるべきときが来ている。