<朝鮮人捕虜>米の尋問調書発見…日本支配の過酷さ記録
毎日新聞 6月10日(金)7時0分配信


◇米国立公文書館で

 太平洋戦争終盤期に日本軍と行動を共にし、米軍に捕らえられた民間の朝鮮人捕虜が、戦時動員
に基づく慰安婦や強制労働の被害について米軍の尋問に答えた調書が、米国立公文書館で発見された。

日本への労務動員については「連合国の捕虜より待遇が悪い」などと述べていた。朝鮮の人々が感じた
日本の植民地支配の過酷さを包括的に伝える内容で、論議を呼びそうだ。

「朝鮮人は炭鉱、鉄鉱山の労働や飛行場の建設に従事し、常に鉱山の最も深く熱い場所で最悪の仕事
を要求された。通信は許されたが、手紙は全て検閲を受けた」と語った。

調書全体を読めば、強制連行があったか否かを論じるだけでは被害の本質に迫れないことが理解できる。

 これまでの元慰安婦の証言からは、慰安婦にされるとは知らずに、「金もうけができる」と言われて
徴集された就業詐欺が多かったことが判明している。

 社会の女性差別がそこに絡み、見逃せない要因となったのが植民地支配された朝鮮の貧困だった。
戦時体制下の生活は次第に厳しくなり、就業詐欺を容易にした。

 朝鮮人に対する民族差別や人権侵害は、日本統治の深刻な問題だったのだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160610-00000002-mai-pol