エアバス「空飛ぶタクシー」は実現間近? 運賃タクシー並み、大手参入で開発競争は…?
2017.10.18
https://trafficnews.jp/post/78816

エアバス・ヘリコプターズが「空飛ぶタクシー」とも呼べる「シティーエアバス」の初飛行を2018年にも行うと発表しました。
将来的には無人飛行で客を乗せるといいますが、どのようなサービスが展開されるのでしょうか。

4人乗りの「空飛ぶタクシー」 料金は…?

航空機大手エアバス傘下のエアバス・ヘリコプターズが、開発中のVTOL(垂直離着陸)機「シティーエアバス(CityAirbus)」について、2018年にもテスト飛行を行います。

「シティーエアバス」は4つのプロペラを搭載したバッテリー駆動の機体で、旅客を乗せて自律飛行が可能。このことから「空飛ぶタクシー」などといわれています。
開発の背景とサービスのイメージをエアバス・ヘリコプターズに聞きました。

——「シティーエアバス」はどのような目的で開発するのでしょうか?

大都市において、空港から市街地への旅客輸送などを想定して開発しています。
大都市では渋滞の問題が、今後さらに深刻化すると考えられます。
そこでわたしたちは、環境にやさしいVTOL機で大都市に新しい移動手段を提供します。

——サービスは、広く一般に向けたものなのでしょうか? 利用料金のイメージなどはありますか?

主に通常のタクシーに乗る利用客をターゲットとしています。富裕層向けではありません。
乗客1人当たりの料金は通常のタクシーの料金に相当し、1機に最大4人の乗客が搭乗可能です。

この旅客用VTOL機の分野では、ライドシェア(相乗り)大手の米ウーバーテクノロジーズや、ダイムラーの出資を受けた独ヴォロコプターなども開発を進めており、
後者は2017年9月にアラブ首長国連邦のドバイで試験飛行を開始したばかりです。
また、ドバイ警察が「空飛ぶバイク」の導入を予定しているといい、開発元であるロシアのホーバーサーフ社が、その実験の様子を映した動画を公開しています。

このような状況のなかで、エアバス・ヘリコプターズは、エアバスグループならではの強みを次のように話します。
「エアバスは長らく航空機事業に携わっています。我々は、機体の開発と製造だけでなく、それらを公共交通機関とし、最高レベルの安全を確保するノウハウを持っています」(エアバス・ヘリコプターズ)
空飛ぶ乗りものの開発競争は今後、ますます激化していくのかもしれません。