>>869の続き

石破氏は、来年9月の総裁選に向けて、すでに準備を整えつつあったのだ。そこに安倍首相の支持率が急落し、追い風が吹く。
「自民党内で『安倍首相で次の衆院選を戦ったら負けるかもしれない』という雰囲気が出てくると、『安倍さんと対立構図になっている石破さんで
いこう』という流れになっていくはずです」(有馬氏)

では、石破氏が首相になると、どんな日本になるのか?
「“地方の活性化”がすべてでしょう。安倍首相は大企業中心の経済政策をとって、大企業が儲かれば、いずれ中小企業や庶民にも
その恩恵が降りてきて、地方にも行き渡るという話だったが、庶民にも地方にも行き渡らないまま終わってしまった。石破氏のアプローチは逆です。
地方を核にした国づくりを進めていくというものです」(鈴木氏)
「地方にいてもちゃんと食べられる制度を作ろうということです。例えば『うちの地域ならこの特産物が人気商品になる』『この場所は観光の
目玉になる』ということをそれぞれの地域で具体的に考えてやっていく」(有馬氏)

憲法改正や安全保障については? 「石破さんが一番やりたいのは憲法改正だと思います」と言うのはジャーナリストの堀潤氏だ。
「憲法9条に関しては、第1項も第2項も根本的に書き直したいという立場ですから、石破さんが首相になったら、そこはしっかりと議論して
もらいたい」
「石破氏は憲法改正と沖縄問題をセットにして考えている。自分たちの国は自分たちで守るのだから、アメリカは沖縄から出ていってくれと。
日米安保の見直しです。そして、自衛隊がしっかり日本を守るのだから自衛隊をきちんと認めよう。そのために憲法改正をしなければいけない
という考え方ですね」(鈴木氏)

安倍首相の支持率が下がり、一気にポスト安倍として注目されている石破氏だが、そう簡単に首相になることができるのだろうか。
「12年の総裁選では5人が立候補し、石破氏が1位で安倍氏が2位だった。しかし、過半数に届かなかったので安倍と石破で決選投票を
したら安倍が勝った。決選投票は国会議員だけの投票。石破氏は地方では圧倒的に強いが国会議員には人気がなかったんです。
その状況は今でも変わっていません。石破派は19人しかいませんから。そこで国会議員票を広げるためにほかの派閥との連携の動きが
あります。例えば額賀(ぬかが)派(55人)は今、総裁候補がいない。そこで石破派と組もうという話が出ている。石破首相の可能性は、
ほかの派閥との連携がどれくらい進むかにかかっているでしょうね」(鈴木氏)

「僕は小池百合子都知事次第だと思います。小池さんと石破さんは仲がいい。かつて総裁選を共に闘ったほどの戦友。都民ファーストの会の
国政政党ができて、安倍政権が今の支持率の低迷を打開できないと勢力図が変わってきます。自民、公明、都ファの連立政権になったときには
石破さんでこの難局を切り抜けようということになるかもしれません」(堀氏)